妊娠してから摂り始めたのでは間に合わない!妊活中の葉酸摂取のタイミング

葉酸が妊婦や赤ちゃんにとって重要な栄養素であるということは、最近、ずいぶん知られるようになりました。母子手帳にも葉酸を摂取するようにとの記述があります。しかし、この葉酸、妊娠が判明してから「元気な赤ちゃんを産みたい」と摂取を始めても、間に合わないことがあるのです。

妊活中、いつの時点から葉酸の摂取を始めればよいのか、そのタイミングについて解説します。

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そもそも葉酸ってなに?

葉酸は、ビタミンB群に属する栄養素で、水溶性のビタミンです。ホウレン草やモロヘイヤなど、緑の葉物野菜に多く含まれることから、この名前がつけられました。葉酸は、体内で赤血球や細胞が新たに生成される際に、核酸(RNA・DNA)が合成されるのを促進するという重要な役割を果たしています。

ですから、活発に細胞分裂を繰り返している胎児にとって、葉酸は欠かせないものであるといえます。妊婦が妊娠初期に葉酸を摂取すると、胎児が神経管閉鎖障害という神経管の発育不全に陥るリスクを低減できるということがわかっています。

このことから、妊婦は積極的に葉酸を摂取するよう推奨されています。


葉酸を多く含む食べ物は?

葉酸は、意外とたくさんの食物に含まれています。特に多く含むのは、鶏・牛・豚のレバーですが、ウナギのきも、ウニなどにも多く含まれています。野菜類では、ホウレン草やモロヘイヤ、ブロッコリー、枝豆などの緑黄色野菜、変わったところでは、焼海苔や煎茶の茶葉、イチゴなどにも多く含まれています。

このように、たくさんの食物に含まれている葉酸ですが、水に溶けやすいという性質を持つうえ加熱に弱いため、調理方法を間違えるとせっかくの栄養分が台無しになってしまいます。調理方法を工夫して、葉酸を無駄なく摂取できるようにしましょう。

具体的には、生で食べられるものはなるべくそのまま食べ、茹でることが必要な場合も茹で時間や水にさらす時間をできるだけ短くすることが大切です。スープや鍋料理など、水に溶け出た葉酸も余すことなく摂取できる調理方法がオススメです。

野菜の場合は、生のまま摂取でき比較的飲みやすくなる、スムージーがオススメです。

妊婦に必要な葉酸の摂取量は?

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると、一般に成人女性の葉酸の推奨摂取量は、1日に240μg(マイクログラム)です。

妊婦の場合は、これにプラス240μgで1日に合計480μg、妊娠を計画している女性、または、妊娠の可能性がある女性の場合は、神経管閉鎖障害発生のリスクの低減のために、プラス400μgで1日に合計640μgの葉酸を摂取することが推奨されています。

さらに、授乳中の女性の場合も、プラス100μgで1日に合計340μgの葉酸を摂ることが推奨されています。厚生労働省の国民健康・栄養調査の結果から、一般的に、日本人であれば、通常の食生活で不足することはないと言われています。

しかし、上記の通り、妊活中・妊娠中・授乳中の女性は、多くの葉酸が必要となるため、意識的に多く摂取することが必要になります。食事のみで推奨量を毎日摂ることは難しいため、食事に気をつけながらサプリメントも上手く使って、必要十分な量を摂るように心がけましょう。

また、20代女性の場合、ダイエットなどの影響から、葉酸の摂取量が著しく不足しているケースが多く見受けられます。妊娠・出産を目指し、妊活を始めるなら、極端なダイエットは控え、日頃の食生活を見直すことが大切です。

なお、サプリメントで葉酸を摂取する場合については、過剰摂取による健康被害(例えば、神経障害、発熱、じんましんなど)が報告されています。

厚生労働省が設定している1日当たりの上限摂取量、1,000μg(1mg)を超えないように注意しましょう。

妊活中の葉酸摂取のタイミングは?

このように、胎児の体作りには不可欠で、胎児が神経管閉鎖障害に陥るリスクを低減するため、妊活中・妊娠中・授乳中には一定量の摂取が推奨されている葉酸ですが、気をつけなければいけないのが、葉酸の摂取を始めるタイミングです。

神経管を元に胎児の脳や神経、心臓といった重要な器官が形作られるのは、受精後28日ぐらいから6週末ごろまでといわれています。一方で、一般的に妊娠が判明するのは、心音が確認できるようになる6週目を過ぎた頃で、妊娠7週・8週頃に気づくことも少なくありません。

ですから、妊娠が判明してから「元気な赤ちゃんを産みたい」と葉酸を摂取し始めたところで、実は遅いのです。厚生労働省は、妊娠を計画している女性に、妊娠1カ月以上前から妊娠3カ月(12週目)までの間、葉酸を摂取するよう推奨しています。

この、「妊娠1カ月以上前から」という点が重要です。妊活を始めようと思い立ったら同時に、葉酸の摂取も始めるようにしましょう。

神経管閉鎖障害とは?

ここで、葉酸が不足することで引き起こされると考えられている、胎児の神経管閉鎖障害についても見ておきましょう。これは、妊娠初期、神経管が作られる妊娠4週から5週頃に胎児に現れる先天異常で、脳や神経などの元になる神経管の一部が塞がらず、脳や神経が正常に機能しなくなる病気です。

神経管の上部に障害が発生した場合は無脳症となり、神経管の下部に障害が発生した場合は二分脊椎症になります。無脳症の場合、脳が形成されないために胎児が生き続けることは困難で、流産や死産となることがほとんどです。

一方、二分脊椎症の場合、一生涯に渡る治療やリハビリの必要が生じるおそれがあります。この症状をもって生まれると、下半身の神経の麻痺による歩行障害、排尿障害などが現れることが多く、また、この症状を持って生まれた約半数の人に、軽度から中等度の知的障害が見られます。

神経管閉鎖障害の原因は、妊娠初期の葉酸不足や、葉酸の吸収を妨げるアルコールの大量摂取、遺伝子異常などと考えられています。遺伝子異常などの原因によって引き起こされる場合が2割程度と考えられているため、葉酸の摂取により完全に神経管閉鎖障害を防ぐことができるわけではありません。

しかし、妊娠前から、サプリメントなどを使って推奨量の葉酸を摂取していれば、神経管閉鎖障害の発症リスクを7割から8割、低減させることができるのです。ですから、妊活開始と同時に、食事にも気をつけながらサプリメント等を上手く使って、推奨量の葉酸を摂取することを、強くオススメします。

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